捲天浄八で日々を妄想。
※BL、二次創作に縁の無い方、就学中の方には大変不向きです。
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「捲簾?最後に見た僕の顔と、抱き締め口付けた時の顔、どちらを大切にしたいと貴方は思いますか?」
そう言った天蓬の顔には薄日が差して、白く透き通る様にも見えた。もうじき離し、還してやらなければならないとは知って居るが、その時を決め兼ねて、眠れぬ夜を過ごした。
夜ばかりでは無い。
読書の片手間に取る食事時、箸を口許へ運ぶ僅かの間に何度も、興味が邪魔をして白衣に落としてしまう。
「おい。読むか喰うかどっちかにしたらどうだ?」
「ああ。また零してしまいましたか?では読む事にします」
席を立とうとする天蓬の肩を押さえつけ
「悪かった。俺の間違いだ。どっちか、じゃなく、今は喰う事に専念しろ」
捲簾は天蓬の瞳を見つめてそう言う。天蓬も捲簾を真っ直ぐに見て、小さく微笑みを洩らしてから書物を閉じた。
そんな時間。
ソファで午睡に浸る捲簾と、安楽椅子で思惟に耽る天蓬の間には、
言葉も音も無い。共生しているだけの、長い時間。
ぎい、と安楽椅子の動きが止まる小さめの音を契機に、共有する短い時間。
「捲簾?起きてます?」
「起きてる」
「嘘。たった今まで寝ていました、って声ですよ?」
「そうだとしても、今は起きてるだろ?それにお前が俺を呼び続けるなら、ずっと起きててやる」
ぎし、スプリングは中くらいの音で二人分の体重を抱え沈みこみ、大きな恋着を残した。
口付けは全身に、情交は心に、想いは記憶に蓄積される。
そんな毎日。
「捲簾大将。天蓬元帥にお逢いにならないのですか?」
「何で俺が行かなきゃならねぇんだ?用が在るなら天蓬から来るだろ?」
「…天蓬元帥は」
「それに、今だって俺の隣に居るじゃねぇか」
誰が尋ね、誰が伝えても捲簾はそう言うばかりで、終ぞ訪れる事は無かった。
白いカーテンが風に揺れ、白いパイプベッドは静かに佇み、眼を閉じたままの天蓬は、そのままでいった。
「お前ならどっちでも良かったが、何時もと同じ顔なのが許せなかった。俺の記憶にこびり付いて離れない位に変わって居たら、俺はきっとお前に逢いに行った」
「そうですか。では最後にとっておきの顔を貴方に見せて上げます」
そう言って天蓬は笑った。
「捲簾?」
「…ん」
「どうしたんです?眉間に皺を寄せて昼寝だなんて。そんなに苦痛なら起きていらしたらどうですか?」
「ああ。そうだな。お前と一緒じゃなけりゃ、もう眠らない事にする」
「捲簾!?本が途中……」
「お休み。天蓬」
「…お休みなさい、捲簾」
…夢オチかよ orz
ちょっぴりそんな事を考えた一日でした。
そう言った天蓬の顔には薄日が差して、白く透き通る様にも見えた。もうじき離し、還してやらなければならないとは知って居るが、その時を決め兼ねて、眠れぬ夜を過ごした。
夜ばかりでは無い。
読書の片手間に取る食事時、箸を口許へ運ぶ僅かの間に何度も、興味が邪魔をして白衣に落としてしまう。
「おい。読むか喰うかどっちかにしたらどうだ?」
「ああ。また零してしまいましたか?では読む事にします」
席を立とうとする天蓬の肩を押さえつけ
「悪かった。俺の間違いだ。どっちか、じゃなく、今は喰う事に専念しろ」
捲簾は天蓬の瞳を見つめてそう言う。天蓬も捲簾を真っ直ぐに見て、小さく微笑みを洩らしてから書物を閉じた。
そんな時間。
ソファで午睡に浸る捲簾と、安楽椅子で思惟に耽る天蓬の間には、
言葉も音も無い。共生しているだけの、長い時間。
ぎい、と安楽椅子の動きが止まる小さめの音を契機に、共有する短い時間。
「捲簾?起きてます?」
「起きてる」
「嘘。たった今まで寝ていました、って声ですよ?」
「そうだとしても、今は起きてるだろ?それにお前が俺を呼び続けるなら、ずっと起きててやる」
ぎし、スプリングは中くらいの音で二人分の体重を抱え沈みこみ、大きな恋着を残した。
口付けは全身に、情交は心に、想いは記憶に蓄積される。
そんな毎日。
「捲簾大将。天蓬元帥にお逢いにならないのですか?」
「何で俺が行かなきゃならねぇんだ?用が在るなら天蓬から来るだろ?」
「…天蓬元帥は」
「それに、今だって俺の隣に居るじゃねぇか」
誰が尋ね、誰が伝えても捲簾はそう言うばかりで、終ぞ訪れる事は無かった。
白いカーテンが風に揺れ、白いパイプベッドは静かに佇み、眼を閉じたままの天蓬は、そのままでいった。
「お前ならどっちでも良かったが、何時もと同じ顔なのが許せなかった。俺の記憶にこびり付いて離れない位に変わって居たら、俺はきっとお前に逢いに行った」
「そうですか。では最後にとっておきの顔を貴方に見せて上げます」
そう言って天蓬は笑った。
「捲簾?」
「…ん」
「どうしたんです?眉間に皺を寄せて昼寝だなんて。そんなに苦痛なら起きていらしたらどうですか?」
「ああ。そうだな。お前と一緒じゃなけりゃ、もう眠らない事にする」
「捲簾!?本が途中……」
「お休み。天蓬」
「…お休みなさい、捲簾」
…夢オチかよ orz
ちょっぴりそんな事を考えた一日でした。
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